ストレスやトラウマが自律神経に及ぼす大きな影響

トラウマ

ストレスやトラウマが自律神経系に与える影響は
非常に深く、密接なつながりがあります。
とくに、長期間にわたるストレスやトラウマが、
自律神経系にどのように作用するかを理解することは重要です。

以下に、ストレスやトラウマと自律神経系の関係について解説します。

ストレスとトラウマのシンプルな説明

まず、ストレスとトラウマについて、
簡単に説明します。
子どもにも理解しやすい形で、それぞれの定義を示します。

ストレスとは?

ストレスとは、学校の宿題がたくさんあったり、
友達とケンカをしたり、試験の前に緊張するような状況で感じる、
心や体が「困ったな」と感じる状態を指します。

この状態になると、少しイライラしたり、
心臓がドキドキしたりすることがあります。
たとえば、物事がうまくいかない時に感じる
「モヤモヤ」がストレスです。

トラウマとは?

トラウマは、非常に怖かったり、悲しかったりする経験が、
心に強く刻まれてしまう状態を指します。

たとえば、事故に遭ったり、大怪我をしたり、
誰かにひどいことをされた時に生じます。

この体験が忘れられず、後になっても思い出すたびに
恐怖感や動悸、汗をかくなどの反応が出ることを
トラウマと呼びます。

ストレスやトラウマと自律神経の関係

この簡単な説明からもわかるように、
ストレスやトラウマが自律神経系に
どのように影響を与えるかが示されています。

たとえば、「イライラ、心臓のドキドキ、汗、急な驚き」など、
トラウマの方がより強い自律神経反応を引き起こしている
と言えるでしょう
ですから、ストレスやトラウマは、体にも明確な反応をもたらすのです。

自律神経系の基本情報

自律神経系は、交感神経と副交感神経の
2つの主要な部分で構成され、
これらが身体のさまざまな機能を調整します。

交感神経は、ストレスや危機に直面した際に
「戦うか逃げるか」の反応を引き起こし、
即座に体の防御反応を促進します。

一方で、副交感神経は「休息と回復」を促し、
体をリラックスさせる役割を担います。

ストレスと自律神経の変化

急性ストレス

短期的な急性ストレスは、交感神経の働きを活発化させ、
心拍数の上昇、血圧の上昇、筋肉の緊張など、
身体の即時反応を引き起こします。
これは急性ストレスに対する正常な生理的反応です。

慢性的ストレス

慢性的にストレスが続くと、交感神経が過度に働き続け、
副交感神経の働きが抑制されることで、
リラックスや回復が難しくなります。
これにより、免疫力の低下や消化器の不調、
睡眠障害など、さまざまな健康問題が生じることがあります。

トラウマと自律神経の変動

トラウマの影響

トラウマは、特に強烈で持続的なストレス反応を
引き起こすことがあります。
トラウマ体験は、交感神経の過剰な活性化や
副交感神経の異常な反応をもたらし、
自律神経のバランスを崩すことがあります。

この自律神経の不均衡は、
心的外傷後ストレス障害(PTSD)や長期的な不安、
抑うつなどの精神的健康問題と密接に関連しています。

自律神経の変化と慢性痛の関連性

トラウマが自律神経に与える影響は、
慢性的な痛みと強く関連していることが、
研究で示されています。

自律神経の機能が正常に働かない場合、
痛みの感覚が過敏になることがあり、
これが慢性的な痛みを引き起こす原因となることがあります。

まとめ

ストレスやトラウマは、自律神経に大きな影響を与え、
心身の健康に重大な影響をもたらします。

自律神経のバランスを回復させるためには、
マインドフルネスやリラクゼーション、
呼吸法などのアプローチが、
ストレスやトラウマの影響を和らげ、
慢性的な痛みの管理にも効果を発揮する可能性があります。