腰痛、膝痛、肩こりにお悩みの方に、
『プレジデント』という雑誌が良い特集を組んでいました。

この雑誌もよく医療分野の特集を組んでいますね。
『プレジデント』2025年8月1日号の特集タイトルは、
「医者に頼らない! 腰痛、膝痛、肩こり…自力で直す、再発させない方法」
です。
この巻頭の対談に登場する北原雅樹先生は、慢性疼痛の治療において超有名人。
でも一般の方には知られていないかもしれません。

そこでより多くの人が知っている養老孟司先生を対談相手として、
より訴求力を強めたわけでしょう。
養老先生は、肩こりや背中の痛みから、肺がんが判明した経験をお持ちとのことです。
がんが判明するまで、医者嫌いを断言する養老先生は、受診をとても嫌がっていたようですが。
痛みを甘く見てはいけない例です。
さて、慢性痛の第一人者である北原先生が断言するのは、
「医者任せでは慢性痛は治らない」
ということです。
やっぱり病気の治療はお医者様が一番、
と考えている人にとっては
ちょっとショックな言葉かもしれません。
北原先生は、「日本の医師は、自分たちが慢性痛の知識を十分もっていないことをわかっていない」
だから「(適切な)診療も治療方針も立てられない」
と厳しく指摘します。
なので、「効果のない鎮痛薬を処方する医療者たち」がたくさんいる、
ということになってしまいます。
(とはいっても、痛みを専門とする病院やクリニックは全国にいくつかあり、
さらに痛みや慢性痛に関連する学会もいくつもありますが、
全体にすればわずかな人数になってしまうということですね。)
では、どうすればいいのでしょう。
答えは、
「自分たちの身体を守りたいなら、リテラシー(知識や能力)を高めるべき」
ということになります。
とくに、慢性痛は生活習慣病の一つなので、
運動療法、心理療法、生活習慣の改善といった地道な自助努力が必須
と北原先生は言います。
つまり、治療を受けても、患者さん自身が、自分で自分をケアする面が大きいということです。
でも、ここで心理療法が入っているのに、なんで? と思う人も多いかもしれません。
痛みって身体の問題でしょって。
専門家の間ではかなり前から指摘されていることですが、
「慢性痛には、心理社会的な要因や、脳や心も関係する」(北原先生)
からなのです。
このプレジデントの特集は、慢性痛にお悩みの方に、とても良い記事です。
慢性痛への身体的なアプローチの記事はけっこう充実しています。
でも、もう一歩突っ込みが欲しいところがあります。
それは、慢性痛の心理社会的要因って何?
脳と心が関係するってどういうこと?
ってことです。
そこを探っていくと、慢性痛とストレス・トラウマの深い関係がみえてきます。
このHPではすでにその点についてご案内していますので、
以下のページなどご覧ください。